犬と散歩散歩

犬と歩く亀有。商店街のにぎわいから、水辺の道へ。

公開:2026-10-08更新:2026-10-08情報確認:2026-10-08東京都葛飾区/亀有・曳舟川親水公園Groom編集部
亀有のゆうろーど商店街を、リード付きの柴犬と飼い主が歩くイラスト
ゆうろーどの街並み。実際の写真を参考にしたイラスト。AI生成イラスト

ゆうろーどの店先、駅近くの亀有公園、曳舟川親水公園の水辺。下町の暮らしを眺めながら、犬のペースで亀有を歩く。

亀有で犬と散歩をするなら、買い物の予定を詰め込まずに出かけたい。

気になる店を見つけても、今日は看板を覚えておくくらいで。人通りが増えてきたら、少し違う道へ。犬の様子を見ながら歩くうちに、観光で訪れるだけでは気づかなかった街の一面が見えてくるかもしれません。

駅の近くで過ごす日もあれば、水辺まで足を延ばす日もある。亀有には、そんな散歩を考えたくなる場所があります。

両さんの街で、暮らしの道を見る

亀有と聞いて、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』を思い浮かべる人は多いでしょう。東京都の観光案内でも、亀有は作品のモデルとなった街として紹介されています。

知っている物語の舞台を歩くのは、楽しいものです。初めて訪れる場所でも、名前を聞いたことがあるだけで、少し親しみが湧いてきます。

けれど、犬との散歩では、名所を順番に回ることを目標にしなくてもよさそうです。

人が集まっている場所を少し離れてみる。気になる通りの入口で、犬が落ち着いて歩けるかを確かめる。写真を撮りたい場所があっても、通行の邪魔になりそうなら、そのまま先へ進む。

有名な景色のそばに、買い物へ向かう人や家へ帰る人の道がある。犬と歩くときに見たいのは、そんな亀有の日常です。

商店街は、買い物をしなくてもおもしろい

亀有駅の周辺には、複数の商店街があります。葛飾区によると、亀有地区商店街協議会には、駅を中心に点在する7つの商店街の店舗や事務所が参加しています。

そのひとつが、亀有銀座商店街「ゆうろーど」です。商店街の公式案内では、亀有駅から旧水戸街道へ至る道に形成された、地域の暮らしに近い駅前商店街とされています。食品や日用品の店だけでなく、医療やクリーニングなど、生活に関わる業種も紹介されています。

商店街を歩く楽しみは、店に入ることだけではありません。

看板を見て、どんな店なのか考える。次にひとりで来たら寄ってみたい場所を覚えておく。通りの先を眺めながら、ここで暮らしたらどんな買い物をするだろう、と想像してみる。

犬を連れていると、できないこともあります。でも、その分、街そのものを見る時間が増えることもあります。

店の前で立ち止まるなら、出入口を空けて。商品や植木鉢に犬を近づけすぎず、店先を散歩の休憩場所にしないように歩きます。入店したい場合は、その店の犬同伴条件を個別に確認しましょう。

気になる店を見つけたら、今日は名前を覚えて帰る。それだけでも、もう一度亀有を訪れる理由になります。

にぎわいの中へ入るかは、その日に決める

人にとって楽しい商店街が、犬にも歩きやすいとは限りません。

前から来る人とすれ違えるか。犬の足元まで見えるか。立ち止まっている人の間を、何度も縫うことにならないか。

通りへ入る前に、一度その先を見てみたいところです。

葛飾区は、犬の散歩について、人や犬が多く通る場所ではリードを短くし、いつでも犬を制御できるようにすることが重要だと案内しています。伸縮式リードも、使う場所によってはトラブルの原因になると注意を呼びかけています。

看板に目を向けている間にも、犬は足元で別のものを見ています。食べ物が落ちていないか、自転車が近づいていないか、人の流れが変わっていないか。景色を楽しみながらも、犬との距離は手元で保ちたいところです。

混んでいたら、商店街を歩くのはまた今度に。

街を楽しむために来たのだから、通りを最後まで歩き切る必要はありません。入口で雰囲気を眺めて、別の道へ向かう散歩もあってよいと思います。

駅の北側で、短い散歩をするなら

水辺へ向かう前に、駅の近くで過ごす散歩も考えられます。

亀有駅の北側にある亀有公園は、葛飾区の「犬と散歩ができる公園」に掲載されています。東京都の観光案内では、亀有駅北口から徒歩約3分、約140メートルの場所として紹介されています。

駅の近くを少し歩いて、公園へ。犬が初めての街に慣れる様子を見ながら、その日の散歩を考える。長く歩くつもりで出かけても、ここで引き返す日にして構いません。

公園では、ほかの利用者の過ごし方にも目を向けます。犬が苦手な人も、遊んでいる子どももいる場所です。犬を近づける前に距離を取り、落ち着いて歩けるところを選びましょう。

北口側で短く過ごす日と、南側から水辺へ向かう日。最初から両方を一度に歩こうとせず、別々の散歩として楽しむのもよさそうです。

亀有公園の入口付近を、リード付きの犬と歩くイラスト
亀有公園。実際の写真を参考にしたイラスト。AI生成イラスト

曳舟川親水公園へ、水辺を眺めに

街歩きから少し景色を変えたくなったら、曳舟川親水公園が候補になります。

葛飾区の案内によると、曳舟川の面影を残して整備された公園で、亀有から四つ木へ南北約3キロメートルにわたって続いています。自然景観水路や水遊び場、広場など、場所によってつくりが異なる公園です。

「約3キロメートル」と聞くと、長い散歩ができそうだと思うかもしれません。ただし、これは公園全体の延長です。駅からの移動や帰り道まで含めれば、その日の歩く距離は変わります。

初めてなら、亀有側の一部を歩いて戻るくらいから。

公式案内では、亀有図書館付近にある水遊び場へのアクセスを、亀有駅から徒歩約15分としています。この時間は水遊び場という特定の場所までの目安であり、犬と休みながら歩く所要時間とは別に考えておきたいところです。

水辺まで行くか、途中で戻るか。その判断を残したまま歩き始めると、犬のペースにも合わせやすくなります。

舟を引いた川の名が、今も残っている

曳舟川という名前には、昔の水路の使われ方が残っています。

葛飾区史によると、この水路では、舟の先につけた綱を川岸から引いて動かす「曳舟」が行われていました。それが、曳舟川という呼び名につながっています。

今の景色だけを見ていると、舟を引く人の姿を思い浮かべるのは少し難しいかもしれません。けれど、名前の由来を知ると、水辺に沿って歩く時間にも、違うおもしろさが生まれます。

ここを舟が通っていたのか。岸から綱を引く人は、どんなふうに歩いたのだろう。

街の歴史は、建物や記念碑だけに残るものではないのでしょう。公園の名前や、長く続く道のかたちにも、以前の暮らしが受け継がれています。

犬が立ち止まったら、人も少し立ち止まる。足元の様子を確かめてから顔を上げると、先ほどまで見ていなかった水辺や木々に目が向くかもしれません。

急いで通り抜けるより、短い区間をゆっくり歩きたくなる場所です。

曳舟川親水公園の水路沿いの通路を、リード付きの犬と歩くイラスト
曳舟川親水公園。犬は水に入れず、通路から景色を楽しみます。実際の写真を参考にしたイラスト。AI生成イラスト

水辺を歩けても、水には入れない

曳舟川親水公園は、葛飾区の「犬と散歩ができる公園」に掲載されています。ただし、犬と利用する際には、区域と季節による条件があります。

水遊び場の開放期間中は、その場所を園外へ迂回するよう案内されています。また、白鳥二丁目にある広場ゾーンは、芝生部分が犬の散歩の対象から除かれています。

「犬と歩ける公園」と「園内のどこでも犬と過ごせる公園」は、同じではありません。

葛飾区は、噴水や流れなどの水の施設に犬を入れないことも求めています。水辺の景色は、通路から楽しむものとして考えておきましょう。

暑い日でも、水に入れて涼ませる場所としては使えません。飲み水を用意し、日差しや犬の様子を見ながら、歩く距離を調整します。

現地の案内や一時的な規制を確かめて、歩ける場所を選ぶ。景色がよいからこそ、ほかの利用者と気持ちよく過ごせる歩き方をしたいところです。

「亀有」という名前を、少しだけ考えてみる

散歩の途中で、街の名前の由来を知るのもおもしろいものです。

葛飾区郷土と天文の博物館は、亀有の古い地名として「亀無」や「亀梨」を紹介しています。「無し」を避けて「有り」になったという説明がある一方で、地形や亀の生息に関わる説もあり、由来はひとつに断定されていません。

よく知っているように思っていた街の名前にも、わからないことが残っている。

そう聞くと、亀有という名前を見るたびに、少し気になってきます。駅の表示や店の看板にある二文字が、単なる目的地の名前ではなく、長く使われてきた街の名前に見えてくるかもしれません。

犬との散歩には、こうした寄り道も似合います。答えを探し切らなくても、気になることをひとつ持ち帰れれば、それで十分です。

下町の散歩は、誰かの家の前を歩くこと

商店街から少し離れれば、そこには人が暮らす道があります。

玄関の前や店の入口、鉢植えのそばは、犬を長く立ち止まらせる場所として選ばないようにしたいところです。においを確かめたがっていても、何に近づこうとしているのかを飼い主が見ておきます。

葛飾区は、道路や公園だけでなく植え込みも犬のトイレではないと注意を呼びかけています。散歩中に排泄した場合は、便を回収し、尿を洗い流すための水を持ち歩くよう案内しています。

「下町だから犬にも寛容だろう」とは考えないこと。

親しみやすい街の雰囲気と、犬を受け入れてもらえるかどうかは別の話です。歩いている人、店を営む人、家で過ごす人。それぞれの暮らしを邪魔しないことが、犬と街を楽しむ土台になります。

ここで暮らしたら、どこへ散歩に出るだろう

亀有を歩く日は、見たい場所をひとつ選ぶくらいから始めてもよさそうです。

駅の北側で短く過ごす。商店街の様子を見に行く。余裕のある日に、曳舟川親水公園まで足を延ばす。

すべてを一度に回らなければ、次の散歩を考える楽しみも残ります。

ここで暮らしたら、朝はどちらへ歩くだろう。買い物をする時間と犬の散歩は、分けた方がよいだろうか。雨の日に短く戻れる道はあるだろうか。

住む街を選ぶとき、駅までの距離や買い物の便利さは大切です。犬がいるなら、それに加えて、毎日どう歩くかも考えてみたいところです。

休日に気に入った道を、別の時間にもう一度歩いてみる。前回は混んでいた通りを、今度は違う側から眺める。

亀有で犬と歩く楽しみは、有名な場所を見つけることだけではなさそうです。

今日はここまで、と思って戻った道が、次はいつもの散歩道になるかもしれません。

出典・参考資料

#亀有#葛飾区#商店街#曳舟川親水公園#犬と散歩